定食屋事件簿『圧力』

 

齢30を過ぎながらも、人生経験の薄っぺらさからか、まったく顔に威厳がなく、さらに外出が無い時は概ね、夏はTシャツ短パン、冬はパーカー姿が多いので、初対面の方にはほぼほぼ20代の兄ちゃんという認識を持たれる。
女性が接客してくれるお店(本当は行きたくないんだけれども誘われて仕方なく渋々に渋々を重ねて苦渋の決断でどうしても行かなければいけないような時にしかほとんど行かないけどね)、でも「30過ぎてるんだよね」というと「見えない〜全然若いじゃ〜ん」と言われ、いつもヘラヘラしており、それはそれで嬉しいことではあるのだが、時として定食屋ではそれが悪循環を生む根源となっている。

よく行く定食屋Aは、オバチャンが非常に気前が良く、ご飯の量を客によって勝手にプラス調整してくるタイプの定食屋だ。

前述の通りの見てくれなので、初めて店を訪れた時からオバチャンには「食べざかりの若者」という認識を持たれ、初回から茶碗に山盛りのご飯が盛られてきた。まあしょうがないよな、これは定食屋あるあるだな、と受け入れ、オカズだけでは食べ切れなかったので追加で注文した生卵と納豆を駆使して食べきった。

すると次回から、「ご飯をたくさん食べたくてわざわざ追加で生卵と納豆を注文する食べざかりの若者」という認識にアップデートされ、「足りなかったら遠慮しなくていいのよ〜」というありがたい言葉も掛けていただくようになった。
さすがに毎回これはキツイと思ったので3回目訪問時には事前に、体重増加を抑えたいのでなるべく白米は減らしたい旨を伝えようとしたが、「ご飯すくn」「遠慮しなくていいのよ〜食べれる時にたくさん食べなさい〜」と、食い気味で被せられ、なす術がないことを悟った。

若いものはたらふく食べて、しっかり働け。

山盛りの白米に込められたオバチャンのメッセージを胸に、今日も生卵と納豆を追加注文するのであった。

 

 

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Category : ニッキ

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