2024 6/18 00:57
心から求められていないソフトクリームと、小難しい顔の金髪少女
近所のファミレスは、夜中の2時まで営業しているロードサイド店だ。
コロナで軒並み営業時間が短くなったファミレスだが、ここはなんとか、持ちこたえてくれた。
深夜料金になる22時前に滑り込み、閉店までドリンクバーと軽食で居座り続ける。客単価が低く恐縮だが、まぁ席もガラガラだし。
ウェイトレスがおかわりのコーヒーをサービングしに来てくれれば、アメリカのロードムービーか、もしくは村上春樹の小説の世界に入り込んだ気分にもなれるが(「アフターダーク」の冒頭のファミレスのシーンが好き)、今は猫型ロボットがにゃんにゃん言いながら飯を運ぶ2024年だ。
大学が近いこともあり、陽キャオーラを放ちまくる男女集団もいるにはいるが、基本的に夜が更けるにつれ、何らかの「ここにいる理由」を抱えた人間に絞り込まれていく。
一つ隣で小難しい顔で勉強をする金髪少女は、別のテーブルにいた陽キャ集団のうちの一人と顔見知りのようで、帰りがけに「勉強頑張ってね〜」と声を掛けられていた。集団はドライブにでも行くのだろうか。
金髪少女は粛々と勉強を続け、帰りがけに何かを注文し食べてから帰っていった。
深夜に、家に居られない理由。
ここでしか、話せない話。
そんなに深刻な理由があって深夜のファミレスに来ている客ばかりではないだろうが、ドリンクバーを取りに行く時にふと他の座席が視界に入ると、そんな物思いにふけってしまう。
店員が全員猫型ロボットになってもいいので、深夜営業はやめないでいてほしいものだ。
写真は、ドリンクバーをセット料金にするために、クーラー直撃の席でめちゃくちゃ寒いにもかかわらず仕方なく頼んだソフトクリーム。