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BiSHから続いてきた幻影のようなものが、アユニ・Dの手によって引き裂かれて、新しい生命体が生まれたような感覚。もちろんそれは前向きなエネルギーに満ちたものだった。
2025年8月11日、日比谷野外大音楽堂。
夏の夜の野音でPEDROが聴ける、というだけで、しばらくPEDROのライブから離れていた人間を引き戻すには十分なシチュエーションだ。
「久々だし、新曲ばっかりだったら盛り上がれるかな。昔の曲も沢山やってほしいな」と、はじめは完全に物見遊山だったのだが、このシチュエーションは、新しいPEDRO、生きたPEDROを見せつけ、再び虜にさせる為に用意された場だったのか、ということに、ライブの後に気づくことになる。
ライブは「NIGHT NIGHT」「GALILEO」「夏」と、いわば「BiSHのアユニ・D」のソロプロジェクトとしての印象が強い時期の曲を立て続けに掻き鳴らしスタートした。この時期の曲はアガる。アガるように作られているから、間違いなくアガる。そういうPEDROも、それはそれで大好きだ。曲が乗せてくれるのも別に悪いことじゃない。
最近のPEDROは昔の曲をやらない、という先入観を持っていたので、少し拍子抜けしたような感覚もあったが、離れていた人間をまずはゼロ地点に戻す為には最高の立ち上がりだった(セットリストを考えた人は絶対策士)。
だが、良い意味での異変を感じたのは、4曲目の「東京」。
この曲もBiSHと並行して活動している時期の曲で、初の武道館ライブ「生活と記憶」でのパフォーマンスがとても心に残っている。
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この武道館のライブを経て、BiSH解散、そしてPEDRO再始動となる流れの中で、どうしてもこの武道館での「東京」のパフォーマンスが忘れられずになかなか現在進行系のPEDROに戻れない、という思いがあった。「東京」は、それまでのアユニの人生そのものを歌ったような曲で、これこそがPEDROだと思っていた。
ただ、この日の野音での「東京」は、武道館で感じたものと全く違った。何が違ったんだろうか。それを言葉で表現できないのがもどかしい。ただ確実に言えるのは、「アユニさん、なんか強くなってる…」ということ。声なのかバンドの音なのか表情なのか。ちょっと儚げなところが魅力なアユニ、という印象をぶち壊すような強さ。
次の曲「感傷謳歌」も、ちょっとアイドルチックなポップチューンという印象だったが、いろんなものを乗り越えてありのままで勝負してます、という気概を感じさせてくれる一曲に変貌していた。特に、「無能な鷹だから、爪を見せびらかしてる、得意技は無いのに」という、「本当本気」のアンサー(と勝手に捉えてるけど)の部分は、歌詞に果実が実ってきたというか、本当本気のアユニ(第一形態)→感傷謳歌リリース時のアユニ(第二形態)→今のアユニ(第三形態)という進化を感じさせられた瞬間でもあった。
そこからのパフォーマンスは圧巻。
細部まで聴き込んでいない曲も多くあったが、曲に乗せられるのではなく、アユニのパフォーマンスと発せられるエネルギーと、バンドとして束になって迫ってくる音が、心を湧き立てた。曲も間違いなく良いんだけど、ライブでしか感じられないバンドの力で、知らない曲でも体が自然と動いてしまうような感覚だ。
このステージに至るまでの経緯(アユニの進化の道程)は、SNSだけの情報で「アユニ痩せちゃってなんか元気無さそうだしツイートもちょっと心配」と傍観者だった自分に語る資格は無いので、このドキュメンタリーをぜひ見て頂くことをオススメします。
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こういう感想を踏まえてもっかい最初っから観たい、とは思うんだけど、このエネルギーを最初に生で受け取ったときの衝撃といったら、どんな音源を聴いても映像を見ても、それに上回るものは無いんだよな。だからライブって最高だし、ライブDVDって買ってもあんまり見る気が起きないんだよな。(出たら買うけど)
夏の夜の日比谷野音。雨上がりに響く虫の声と、ステージ上でのアユニの一挙手一投足が、今も目と耳と肌に焼き付いて離れない。
ステージまでの距離を感じさせないほどに、その表情までもが克明に。
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追伸:
そんな素晴らしいPEDROに呼応するかのように、CENTも素晴らしいミニアルバムをリリースした。
今のCENTを思い切り表現しているアルバムですので、ぜひ手にとってみて頂けたら嬉しいです。
何故か何枚も持っているので、ご興味があればお渡しいたします。(この点ではBiSHの幻影を引きずりまくってる件)
最後に推しのことも忘れてないぞ、ということをアピールして締めます。
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まさにPEDROの渦にまみれた2021年だった。
2021年12月22日に活動休止したPEDRO。
正確に統計はしていないが、今年聴いた音楽の半分以上はPEDROだった感覚がある。
[BiSHメンバーのソロプロジェクト]
[ベースを始めて3年]
そんな装飾の言葉がチープで無意味に感じてしまうほど、無垢で力強い、PEDROのアユニ・Dとしてのラストステージだった。
とにかくアユニ・Dという人は凄い。何が原動力となって、3年で武道館、そして横浜アリーナ一杯の人を魅了するバンドマンになったのか。
3年で自分が5cmくらいしか進んでいないところを、彼女は100kmくらい進んでいる、本当にそれくらいのスケールの話だ。(俺が進んでいなさすぎるのもあるが)
最後のアルバムは全曲作詞作曲?いやいやそんなはずない。それが本当だったらあと100kmくらい追加で進んじゃってるし。
しかしその凄さとは裏腹に、アユニはありのままの生き様を言葉にし、音楽にしている。PEDROの音楽は、聴く人の日常に寄り添い、優しくのしかかってきてくれる、そんな存在だ。
アユニの人生に乗っかっていきたい、バンドの音をこれからも聴いていきたい。
もちろんそう思うところではありますが、しかし、これくらいで打ち止めておかないと、もう5年、もう10年、それだけやっていたら突き抜けてどこまでも行ってしまいそうである。3年でちょうどよかったのだろうか。
10年後に思い出したとき。
2021年はコロナの年ではなく、PEDROが凄かった年として、思い出すでしょう。
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すっかりライブから離れてしまった。
最後に行ったのはもう10ヶ月も前、時はもうコロナ禍に片足を突っ込んでいた3月初旬、こっそりと下北RegにKOGA RECORDの企画を観に行った。MUGWUMPS(ドラムのKOZOさんは学生時代のバイト先の先輩!)にSpecialThanks、For get me a notsと、僕らが青春時代を共にし、途切れながらもしぶとくその音楽を続けていてくれているキャリアの長いバンドに、Lucie,tooという新顔を加えたラインナップ。本来ならもっと汗をかき、その感想をSNSで披露するべき素晴らしい企画だったのだけど。そうさせなかった世の中の風潮と、それに屈して行ったことを隠していた自分にはつくづく嫌気が差す。
今でも記憶に残っているライブの話をしようと思う。
そのライブは調べたらちょうど10年前の12月。
渋谷o-nestでのandymoriのライブ。ドラマーが交代した直後だったと思う。既にワンマンのチケットは取りづらくなっていたけど、企画ライブは小キャパの箱でもわりと簡単に取れたので、当時はそういうライブを狙ってandymoriのライブを観ていた。(mixiで知り合った、ちょっと年下の女の子と良く通ってたなあ)
1曲めだったかな、わりかし始まってすぐに壮平のギターのストラップが壊れて、ええい!もういい!みたいな感じでヤケになり、ギターなしで数曲を駆け抜けていた。それがまたとんでもない熱量で、まさに、歌うというよりは駆け抜ける、という印象。圧倒され、凄いものを観ているな…と顔がニヤついたのを覚えている。(何曲かそんな感じで、その後はギターが復活した)
o-nestはホールの上の階にバーがあって、対バンライブとかだと出番を終えたバンドマンがそこで飲んでたりするのだけど、その日はandymoriの面々もライブ後にバーで休んでいて、当時上昇気流に乗りかかっていたandymoriに接触するには今しかないと、僕らはメンバーに接触を試みたのだ。
壮平はストラップが切れて思うようにいかなかったライブに少し落ち込んでいる感じだった。その横には、彼女だったのかどうか、かわいらしい女の子がいて、僕らが壮平に話しかけている間も嫌な顔をせずにそっと横に座っていた。すると、壮平が「食べる?」と、その女の子が焼いてきたであろうパウンドケーキを僕らに勧めてくれたのだ。
その味はもう何味だったか忘れたし、もしかしたらパウンドケーキじゃなくてガトーショコラだったかもしれないけど、その時の壮平のやりきれないような表情と、ニコニコと愛想の良いその女の子が作り出した空気は、確かにあの時、ほんの数秒だけだけど、僕らだけの空間だったのだ。
都会のライブハウスの片隅で起こった数秒間の出来事だけど、ほんの少しだけ、andymoriというバンドが醸し出す素の空気感を味わった気がして、なんだか嬉しく、誇らしい気持ちになった。
(ちなみにその後なぜか壮平とは写真を撮らず、ヒロシと2ショットを撮ってもらいました。なんで壮平と撮らなかったんだろう。笑)
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ふと懐かしいプレイリストを聴いていたら、自分はどういう音楽をこれまで聴いてきたんだろう、というのを振り返りたくなり、年表を作成してみた。すごく時間がかかったし疲れました。笑
興味がある方は観てみてください。
あの時のあのバンド、良かったよね、みたいな話を肴に、お酒を飲みたいもんですね。
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気にしすぎてもなあ、交通事故に遭うくらいの確率だしな、という自分と、
スーパーですれ違う人に「もうちょっと距離取ってほしい…」と思ってしまう自分。
世の中の事よりも、相変わらず都合よく物事を解釈してしまう自分に嫌気が刺す今日この頃です。
(導入めっちゃネガティブ!)
こうやって初夏の心地よい空気が流れる休日の午後にゆっくり文章を書く時間。
(すいません、昼間に下書きして放置してました)
サポーター業に入れ込んでしまった身分からすると、とても貴重でありがたい時間が過ごせている。
でも、やっぱり熱狂が足りない。
ゴール決まって抱き合いながら、みんなで「密です!密です密です密です密です!」とかやりたいよ。
しかしサッカーはナマモノで、良い時も悪い時も、その時その状況の感情が行動のガソリンになるので、今の状況であれこれ考えたりするのはわりかし難儀で、こんだけ時間あるんだからゲーフラ何枚も作ってやるぞ!、とか思っていたけど、そんな気もなかなかなれず。
…
普段から1人で籠もって仕事をすることが殆どなので、メンタル的にはそこまで影響はないと思いきや、これが週末も誰とも会わないとなるとさすがにめげる。
そんな中で日常的に外界と繋がれるのがラジオ。自分の好きな音楽を流してばかりいると、どうしても内に内に籠もってしまうので、今は専らラジオを一日中かけ流している。
「ラジオよく聴くんだよね」というと必ず起こるのが、AM対FMの論争。
深夜のAM放送を聴いてこそ真のラジオリスナーだ、FMなぞ気取っているヤツが暇つぶしに聴くもの、というAM派に、我々FM派は特に返す武器もないので、「ラジオよく聴くんだよね」と軽いノリで宣うのは非常に危険。かくいう自分はほとんど81.3しか聴かないので、あまり「ラジオ好きなんだよね」と宣っているとボコボコにされてしまうのです。(j-waveも深い時間はなかなか面白いよ)
冗談は置いといて。
録音機器やネットワークの発達のおかげもあって、ラジオはテレビと違いリモート収録でもクオリティが落ちないから、コロナ禍(なべ)においても以前の日常とほぼ変化なく楽しませてくれる。一人でヘラヘラ笑ったり突っ込んだり。ありがたや。
ラジオと並んで、日々の耳のお供になっているのが「他人のプレイリスト再生」。これなら、知らない曲を聴くという楽しみもあるし、内に篭りすぎることなく、心地よく仕事も捗る。センスの良いプレイリストであればなおさら。
せっかくなので、最近リピートを繰り返しているお気に入りのプレイリストを紹介させてください。
その1はこちら。
DJヤマモト に「ローファイヒップホップが気になってる」という話をしたら、「もろ守備範囲です」とかいって、頼んでもないのにまとめてくれたプレイリスト(失礼)
ローファイヒップホップとはなんぞやと言ったら、自分もよく知らんけど「深夜に聴いてもうるさくなくてなんなら聴きながら寝れる」という感じのゆるいやつ。(これがヒップホップなのかよく知らんけど!)
ほぼシラン人!
と思いきや全部しっくり来て、今はラジオに飽きた時は真っ先にこれを再生。
(最後にエビスビーツ出てきて、これはギリ聴いたことある!と嬉しくなった)
ちなみに自分がローファイヒップホップを知るキッカケになったのはこのチャンネル。
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(24時間垂れ流し)
ジブリっぽい背景は、もともとは耳をすませばのワンシーンをそのまま使ってたら流石に怒られたらしく、限りなくそれに寄せたアニメになったそうで。そりゃ怒られるわ。
このあたりのシーンのことはここに詳しいのでご興味のある方はぜひ。
https://www.beipana.com/entry/what-is-lofi-hip-hop
もう一つのお気に入りプレイリストはこちら
近所のコーヒー屋さんtak beans(https://twitter.com/takbeans )の店内BGMを、店主のマツさんがプレイリストにして公開してくれたもの(邦楽バージョン)
曲目をみればわかりますが、聴けばグワァァァっ!っと心を鷲掴みにされる90-00年代の邦楽ロックのキラーチューンがズラリ。ド定番ではあるのだけど、これだけ隙間なくリストアップしてくれると、これも入れてきたか!と、聴いていてニヤケてしまう。
(この中にあっても埋もれない崎山蒼志君はさすが)
聖蹟にルーツのある踊Foot Works(オドフットワークス)が入っているのもポイント。
まず間違えない名曲ばかりなので、リモートワークのBGMに困ったらぜひ。
今まで「音楽はTSUTAYAで借りてきていちいち録音する派」と、こだわってる気取りをしてきたのだけど、こうやって誰かのプレイリストを聴けるというのはサブスクリプションの大きな魅力だ!(気づくの遅い?)
そんな感じで、最後は珍しく有益な情報をお伝えしてしまいましたが、そういえば前回「BiSH考(1)」という記事を「続きはまた今度」と締めておきながら放置していたのを今思い出したので、次回はそれについて書きたいと思います。
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