最近見た映画「ちいさな独裁者」

封切りのときに武蔵野館にアプリで知り合った映画好きの女の子と観に行った映画。
初めて会った子となんちゅー映画観に行ってんすか。
(その子とは3回武蔵野館で映画を観て3回食事を奢った挙げ句、本命が出来たと連絡が取れなくなった)

『ちいさな独裁者』は邦題で、原題は“Hauptmann”(ドイツ語で大尉の意味)。
ガッカリ邦題が多い中、この邦題には納得。

脱走兵がたまたま見つけた大尉の軍服を着て、身分を偽って横暴を繰り返していく話。
だけそれは結局、「ちいさな」でしかない。あんだけ横暴しといて、お前最後それかよ!というオチを観たあとに、「独裁者」という恐怖感を煽るワードに「ちいさな」をつけるワードセンスが腑に落ちます。(この人身長もちっさいんだけど)

戦争映画を観るときは、残酷な戦争という「ダークサイド」の中にある「ライトサイド」を感じるのが楽しみのひとつ。
ナチスドイツだって、僕らよりたった2世代・3世代前の話。人間そんなに変わらない。子供をぶった切りまくったアナキン・スカイウォーカーだって、ダース・ベイダーだって、結局ライトサイドな心がある。映画の中で戦争に参加している殆どの登場人物は、そんなライトサイドの心を持っている。

主人公ヘロルトも、参謀になるフライタークも、ライトサイドの心を持った一介の市民。それが、戦争という狂った状況の中で、スイッチをパチっと切り替えたようにダークサイドに変わる瞬間を読み取るのが、この映画の一番の面白さかもしれない。でも結局スイッチが切り替わっただけで、「ちいさな独裁者」でしかないんです。

エンディングもとても良くて、120分映画を観せておいて一番伝えたいことはそこに詰まってるんじゃなかなという感じ(もちろん内容見た上で理解できることなんだけど)。ナチスが題材の映画を観ると、こんなにむごい事をして、と必ず思うが、それもすべて今のドイツ、今の世界と地続きなんだ。そんなエンディング。

あと個人的に、どんな映画でも「ハイル・ヒトラー」を面倒くさそうに適当に言うオッサン軍人が好き。ビシッとキメて言うやつにロクなやつはいないよ。

Filmarks https://filmarks.com/movies/81436

主人公のモデルとなったヴィリー・ヘロルト 

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