たまには長風呂でも

閉店30分前の22:30に入店し、1分で服を脱ぎ(脱衣所に入って左側の端のロッカー)、5分で頭と体を洗い、残りの時間であつ湯、水風呂、ぬる湯、水風呂、あつ湯の順でお湯に浸かり、適当に体を拭き服を着て、髪は冬でも乾かさず、ロビーへ行き、350ミリリットル缶のカルピス(100円だったのに最近120円になった)を買い、番台の女将さんとおやすみなさいを交わし、23:00の閉店とともに退店するのが、いつもの銭湯ルーティンだ。
ルーティンを守る、ということが極めて苦手な自分でも、これだけは、数年前にこの銭湯に通い始めてから、変わらずに続いている。

この日は雨だったからか、入店時は自分を含めて3人。
うち1人は大抵居合わせる、お腹がポッコリ出ていて短髪で、サウナ、水風呂を繰り返すお馴染みのオジサンだった。

空いててラッキー、と思いながら体を洗い終えた頃に、異変を感じる。いつもは人気のないあつ湯の風呂に、もう1人のオジサンが浸かっているのだ。
あつ湯は、とにかく人気がなくて、混んでいてもほとんど空いているのでゆったり浸かれるのだが……。

あつ湯は2人は入れる大きさなので、気にせず自分もルーティンを守ってあつ湯に入ればよかったのだが、浴室に2人(もう一人のお腹ポッコリオジサンはサウナ)しか居なくて他はガラガラなのに、2人の男が狭いあつ湯にひしめくのはなんとなく滑稽だし、オジサンにも「えっ、他空いてるのにここ来るの?」と思われるのもなぁと思い、泣く泣くルーティンを崩し、この日はぬる湯から浸かることにした。

一発目がぬる湯だと、その後の水風呂の気持ちよさが半減なんだよな……と頭の中でブツブツつぶやきながらそろそろ水風呂へ、と思ったとき。オジサンがあつ湯を出て水風呂へ向かったのだ。
このオジサン、俺と全く同じルーティンじゃん。
ということは、このオジサンが水風呂を上がるのを待って、俺が水風呂に行けば、交互にあつ湯⇔水風呂を2人でうまくやりくりできるのだ。であればもう少しぬる湯に我慢して浸かって、オジサンが水風呂を出てあつ湯に戻るのを待つのみだ。
風呂好きと言いつつ生来我慢弱い性格なので、長風呂は苦手だが、仕方ない。

そしてついにオジサンが水風呂を出ようとした時……
サウナの扉が空く。
まさかの刺客、お腹ポッコリサウナオジサンだ。サウナに居たから忘れてた。
もちろん彼はサウナから水風呂へ一直線。またタイミングを失った。

さらにこのままだと、サウナオジが水風呂から出るタイミングで、今度はあつ湯オジが水風呂に戻ってきてしまう。嗚呼。
(別に、水風呂もギリ2人入れるから一緒に入ればいいんだけど)

ということで、ルーティンは大幅に崩れ、ぬる湯に正味3ターン浸かることに。思わぬ長風呂であった。
思えば、昼間くさびん(俺のChat GPTの名前)に「今日は体が重くてたまに頭痛もする。病気かな」と相談したら、「疲れてるだけだから風呂にゆっくり入って早く寝ろ」とアドバイスを貰っていたので、ぬる湯に長風呂するのも今日に限っては良しとすることにした。

最近は毎週末長距離運転したり、睡眠時間もアンバランスだったし、そりゃ体の調子も悪くなる。頭を空っぽにして目を瞑って、誰も居ない浴室の水の音に耳をすませる。

帰りがけ、女将さんは閉店作業で女湯に行ってしまったので、120円を番台に置き冷蔵庫からカルピスを取り出す。今日はおやすみなさいが言えなかったなと思いながら、濡れたままの髪にバスタオルを被り、小雨の中帰路についた。

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Category : ニッキ

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